針を持てよ、競馬場へ出掛けよう

手芸と競馬、時々書評中心の雑記帖

至高の名牝―ジェンティルドンナ~偉大な父を越えた栄光の軌跡~


 お待たせしました、競馬記事の続きです。
ちょっと堅いタイトルですが、いつか優駿さんからジェンティル姐さんのDVD付特別号が出ることを願い、勝手にタイトルだけ考えときました。

このタイトル通り、私の生涯永久推し馬「ジェンティルドンナ」姐さんを知って頂く3分間です。




では、前回お話しした2012年ジャパンカップから。
4歳(人間だと16歳くらい)オスの破天荒暴れん坊番長「オルフェーヴル」と
3歳(人間だと12歳くらい)メスの、同い年の男子をボコボコにしちゃう神取忍系女子小学生「ジェンティルドンナ

オルフェーヴルは前月に世界最高峰レースのフランス凱旋門賞で2着の成績を世界中に見せつけ、それこそ凱旋帰国したばかり。
もちろん注目されていました。
しかし一方、まだまだ新馬で女の子のジェンティルドンナは、当時そこまでオッズ(倍率)は高くなく、あまり本命視されていませんでした。
未だかつて日本最大級のレース、ジャパンカップで3歳牝馬が優勝したことは無かったからです。

そんな二頭が文字通り激突したのは、ゴールまで残り300mを過ぎ、200m余りの頃でした。
なんとジェンティルドンナがバシンバシン、年上の暴れん坊番長に体当たりしたのです!!www

お互いにドン、ドンとぶつかり合いながら、そのままゴールイン!!!!
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想像してみてください。神取忍ジャイ子の中にいれたようなJS(見た目はめちゃ美馬ですよ!)が、金髪馬野郎なオラついてる男子高校生に体当たりしながら走ってんですよwww
もう噴飯ものでした。
かなり長い審議の末、結果

1着 ジェンティルドンナ
2着 オルフェーヴル

となり、私は人生初の勝ち馬券を手にしたのです!

競馬の世界に年下だから、とか女の子だからとか無いので、もちろん相手の邪魔をしたら騎手は一定期間騎乗停止、最悪馬は失格となる場合もままあります。
そのため、審議は長く続き、10分くらいあった気がします。
しかしオルフェーヴルも少し内側に寄ってしまったこともあり、結局お互い様ということで、鼻差でジェンティルドンナが勝ったのです。

ただ、騎乗した岩田騎手は騎乗停止処分になりました。彼の騎乗ではよくあることなので、通常運転です。



数百円で買った馬券が数千円になった私は、世紀の接戦になったこのレースでお小遣いをくれたこの二頭にメロメロになりました。
だって生で見てたんだもん!まんまとモロハマりしました。
特にジェンティルドンナは女の子なのに、世代最強男子に勝つなんて……!と尊敬の念すら抱きました。


その後、オルフェーヴルは竹ノ内豊出演のCMにも使われた、「引退すんのに8馬身差でぶっちぎり優勝www」とかめちゃくちゃな勝ち方をして惜しまれつつ引退しました。

そしてジェンティルドンナはその後牝馬三冠(史上4頭目、初親子制覇)を果たし、翌年のジャパンカップも史上初の連覇!ドバイでも優勝して成績を残し、着実に勝ち数を伸ばしていきました。
その頃私は仕事が忙しく、彼女の活躍はネットかTVでしか見れなくなっていました。忙しすぎたんです。忙しすぎて、仕事を辞めました。

時間はたっぷり出来た頃、「ジェンティルドンナの年内引退」を知り、ショックを受けました。
「姐さん、引退しちゃうのか……、じゃあ応援しにいかなきゃじゃん!!!!」

2014年、彼女の成績はいまいちでした。小学生だった姐さんも5歳古馬、ハタチの成馬になっておられたのです。
同い年にして世界ランク1位になったジャスタウェイや、オルフェの弟にしてこっちも暴れん坊のゴールドシップにボロ負け。
夏はまるっとお休みして、秋の天皇賞や三連覇が掛かったジャパンカップも負け。


そして陣営が決断した暮れの大一番「有馬記念」で引退
絶対最後まで見守ろうと決めていた私は、もちろん船橋にある中山競馬場まで早起きして足を運びました。
あそこ狭いのに、ものっそ人が集まるんですよ。しかも海が近いせいか、めっちゃくっちゃ寒い!!!!!

15時のレースのために4時間、師走の寒さに耐えながらひたすら待ちました。

そしてついに迎えたファンファーレ。先述の凄脚の牡馬2頭に加え、幻となったジャパンカップの三連覇を攫ったエピファネイアや永遠のライバル同い年牝馬ヴィルシーナ、オルフェのライバルだったウィンバリアシオン、更に年下女子ラキシスやこの年のダービー馬ワンアンドオンリーなど
とにかく「世界が注目する有馬記念になっていました。

ゲートが開き、一斉に走り出しました。皆、一様にゴールにある栄光目指して。。

第32 回 ジャパンカップ GⅠ 「 ジェンティルドンナ」 優勝 - YouTube


姐さんは序盤から前めの先行に位置取り、攻めていきました。
残り2、300mのところでゴールドシップが上がってきて、姐さんが少し下がった!あかーーん!!と思った瞬間

ジェンティルはグンっと力強く伸びたのです。

「このまま引退なんてごめんだわっ!」とでも言うように、上り坂で勢いを増したのです。

そしてそのままゴールイン。
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2014年、ドバイで優勝して以来、ずっと成績が振るわず、ネットでは「オワコン」と言われていました。
元々先述のジャパンカップで皆のヒーロー☆オルフェーヴルに「ズルして勝った」かのように思われ、ちょっとダークなイメージがついてしまっていたことも原因の一つだったと思います。
秋二戦も万全な状態で枠順もよかっただけに、私も若干諦めていました。「これが姐さんの限界なのかもしれない……」と応援馬券は買っても、予想本命は別の仔だったり。


それでも、姐さんはやはり稀代の名牝でした。
勝ったのです。

その頃、働けない自分と姐さんを重ねて見ていた私は、内ラチ(コースの真ん中のスペース)で泣きました。15分くらいぐちゃぐちゃに号泣しました。
競馬ファンのおじちゃんたちは優しいので、放っておいてくれます。
未だに動画見ると泣いちゃいます。

終わった終わったと言われても、彼女はキツイはずの上り坂で、崇高なプライドを見せたのです。

自分が参加した訳じゃなく、観戦して感動したのは初めての経験でした。

「なんか、、わかんないけど、頑張ろう。うん、頑張ろう!!」

そんな安易なことを自然と思ってしまう、素晴らしいレースでした。

 

 

だから、ジェンティルドンナは私の永久欠番なのです。

今は彼女の仔を楽しみに待ちながら、彼女に有終の美を飾ってくれたリーディングジョッキー戸﨑 圭太騎手を応援する毎日です。彼の努力たるや、これまた語りたいことだらけですが、また別の機会にでも。

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(引退式にて:撮影とん)

ご精読いただき、ありがとうございました☆

もしちょっとでも興味を持っていただけたら、来月から始まる秋クラシックレースを日曜15時から、お忙しければ半からでもフジテレビの中継をチラッとでも見てみてください。

 

競馬って、ほんとにいいですね。ではまた来週。